おいしさは、いつも自然から。らくれん

オンラインショップ お問い合わせ facebook

酪農家紹介

渡辺牧場

愛媛県北宇和郡鬼北町

 今回の酪農家訪問は、北宇和郡鬼北町の渡辺牧場を紹介します。
 渡辺牧場のある北宇和郡鬼北町は、愛媛県の西南部に位置し、周囲を山々に囲まれた中山間地域で、清流四万十川の支流である広見川をはじめ、いくつもの河川が町内を流れる自然豊かな町です。
 町名の「鬼北」は、鬼ヶ城山系の北側に位置することに由来しており、全国の自治体で唯一「鬼」の文字が入る自治体であることから、町のシンボル「鬼王丸」の象が道の駅に設置され、「鬼のウォールアート」や「鬼嫁コンテスト」の開催等、鬼のまちづくりとしての様々な取り組みが行われております。
 渡辺牧場は、同町の中心部より少し離れた、田園や飼料畑が広がる川沿いの一角に在ります。牛舎の周りには、花や木が植えられ清潔感に溢れ、牧場内は整理整頓が行き届き、働きやすい環境となっております。
 同牧場は、20年前にこの「酪農家訪問」に掲載され、当時は経営主の敏彦さん夫婦と、義父の岩さん夫婦の4人で経営をされておりましたが、現在では岩さん夫婦が引退され、長男の裕貴(ゆうき)さんが7年前に岡山の中四国酪農大学校を卒業と同時に就農、従業員1人と外国人研修生2人の計6人で牧場の管理をされております。裕貴さんの妻の友紀(ゆうき)さんは、現在、家事と二人のお子さんの育児に専念されていますが、ゆくゆくは牧場のお仕事をされるようです。

渡辺牧場について

【経営の推移】

渡辺牧場の酪農経営は、昭和34年に義父の岩さんが1頭の乳牛を導入したことから始まり、昭和47年に50頭繋ぎの牛舎を建設、35頭に増頭し本格的に酪農経営が始まりました。平成9年に174頭の飼養管理が可能なフリーストール牛舎とミルキングパーラー等が建設・整備され、現在に至っております。


【経営の概要】

渡辺牧場は、県内でも有数の大型牧場であり、現在、フリーストール牛舎に搾乳牛91頭、乾乳牛12頭、初妊牛10頭、育成舎に育成牛17頭、哺育牛5頭と、隣町にある第2牧場に育成牛32頭を飼養されております。

令和2年度における年間出荷乳量は881tで、脂肪率3.93%、無脂固形分率8.92%、体細胞数と細菌数は常にAランクと安定した良質乳を生産されております。

同牧場は機械化と施設整備により生産コストの削減と省力化に努めており、自走式の飼料給餌機(ミキサー)は、長年の使用により老朽化した為、昨年更新されております。容量は従来の1.7倍となり、ミキサーの形状により乾牧草を解す手間も無くなり、エサの撹拌は縦型のスクリューにより時間短縮され、その分他の作業に労力を回す事ができる様になったそうです。また、エコフィードや自給飼料の利用によるコスト低減にも努められております。

隣町にある第2牧場は、規模拡大した当時に廃業牛舎として買い取り、堆肥舎として利用されておりましたが、現在は育成牛の管理施設としても有効活用し、後継牛の育成とコスト削減を図っております。

糞尿処理施設は、平成15年に牛舎裏に3棟を建設・整備され、太陽熱を利用したビニールハウス型の自動撹拌装置を設置した堆肥乾燥施設ですが、長年の使用によりビニールや部品が老朽化した為、昨年補改修工事が行われております。この施設内でできた堆肥は良く乾燥しており牛舎内に敷料として再利用したり、良質堆肥として自給飼料畑へ還元、また周辺の耕種農家との連携を図り有効活用されております。堆肥舎を整備する以前は、糞尿処理に苦労されていましたが、今では時期によって堆肥が不足する時もあり、処理に悩まされる事は無くなったそうです。

渡辺牧場の取り組みと今後

機械や施設等は規模拡大を行い25年近く経過し老朽化しているものも見受けられ、ミルキングパーラーもその一つで、更新を計画されております。搾乳機器を増設し10頭ダブルのパラレル方式へ変更する事により、1巡目当たりの搾乳頭数が4頭増え、搾乳効率の向上を図る事ができます。将来的には搾乳ロボットの導入も視野に入れ、今後も更なる効率化を目指しておられます。

らくれんより

酪農に従事して30年近くになる敏彦さんに、これまでを振り返っての感想をお聞きすると、「就農してからこれまで酪農にずっと縛られてきた。いろいろと苦労はしたが、後継者が出来て良かった!!」と、安堵の表情が伺えました。
 現在、北宇和管内の酪農家はわずか6戸に減少し、危機感を感じられておられますが、少ない会員のなかで渡辺さん一家それぞれが組織の役職に就かれ地域活動にも積極的に参加し、酪農振興に努められております。また、近くの小学校の課外授業として牧場見学の受入にも協力され、地域との交流も大切にされております。
 このような北宇和地区の将来を牽引するような存在である渡辺牧場の今後の益々のご発展とご活躍を県酪連職員一同、心より期待致しております。

(南予指導事務所 大塚政彦)