おいしさは、いつも自然から。らくれん

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酪農家紹介

中谷牧場

愛媛県松山市

中谷牧場のある松山市久谷地区は三坂峠の麓に位置し、古くより土佐と伊予を結ぶ要衝の地で、道中安全や土地鎮守を願う寺社が多く残されています。中谷牧場の牛舎は久谷川が流れる道筋に位置し、周辺には旧遍路宿の坂本屋、46番札所の浄瑠璃寺などがあり、歴史と自然あふれる里山風景が広がっています。
中谷牧場の乳牛飼養頭数は38頭(経産牛24頭、育成牛14頭)令和3年度出荷乳量は約203トンの実績です。

中谷牧場について

【経営の推移・概要】

中谷牧場は裕輔さんの祖父の代に、肥育牛飼養をしていたところが原点となっています。父の誠さんの代に酪農専業になり、昭和55年に搾乳牛12頭から経営を開始しました。その後、規模拡大や火災被害の紆余曲折を乗り越え、平成11年に40頭牛舎へ改築しました。平成24年に大学を卒業した裕輔さんが就農し、令和3年に誠さんから経営を譲り受け、現在に至っています。

「幼い頃から牛舎が遊び場で、生き物も好きだったが、他の職業も考えていた。」と語る裕輔さん。酪農が身近にあっただけに良い面も厳しい面も冷静に見ており、興味を持ちつつも別の職業も情報収集していたそうです。そんな中、父親の誠さんの真摯に仕事へ取り組む姿を見て、酪農は厳しいところも含めて、やりがいのある仕事だと最終的に確信して飛び込んだそうです。別の職業も真剣に模索していた経験があった中で酪農を選んだからこそ、本気で取り組む覚悟が付いたといいます。

【経営の特色】

「良質乳生産は基本ではあるが難しいことでもある。この部分については誇りを持って続けていきたい。」と裕輔さんは語ります。良質乳生産を維持するため、中谷牧場では牛体、牛舎環境を清潔に保つことを常に心掛けており、牛の状態をしっかり観察することをかかさないそうです。1日2回朝晩に尻尾をお湯で洗っている程の徹底ぶりです。

資材・飼料高の対策をお聞きしたところ、「コスト意識を今まで以上に厳しく持つようになった。無駄なコストは抑えながらも、牛の状態を崩したら本末転倒。餌や敷料、牛が必要とすることはケチらず与えるよう心掛けている。」といいます。コスト管理の一環として、自らの経営と飼養管理を客観的に把握できるよう日々の作業内容や投薬、資材交換、簿記記録をこまめに記帳することを続けておられます。

中谷牧場の取り組みと今後

今後の酪農経営について聞くと、「今はとにかく先が見えない状況。当面は大規模化ではなく現在ある施設、機械を最大限活用できる頭数で経営を守っていきたい。」と語ります。

また裕輔さんは酪農という仕事は、家族で仕事が出来るというところが最大の魅力である一方、解決すべき課題もあると感じているそうです。今後の経営においても私生活と仕事のバランス意識をしっかり持って取り組み、経営に関わる皆が納得できる形を維持していきたいと考えているそうです。

らくれんより

酪農情勢はもとより、コロナ、戦争、経済混乱等で閉塞感が払拭されない世の中ですが、中谷さんのように、冷静に今やれることを強い覚悟を持って着実にやっていくということが、もしかしたら活路となるかもしれません。中谷牧場の益々のご発展・ご活躍を県酪連・四国乳業職員一同、心より期待しております。

(東中予指導事務所 三原宏文)