おいしさは、いつも自然から。らくれん

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酪農家紹介

山本塁牧場

西予市野村町

今回の酪農家訪問は、西予市野村町野村の山本塁牧場を紹介します。山本塁牧場のある西予市野村町は、中心部を一級河川「肱川」が流れ、標高1400mの四国カルストを含む急峻な山々に囲まれた自然豊かな地域です。古くから畜産と養蚕で栄えてきた町であり別名「ミルクとシルクのまち」と呼ばれています。

山本塁牧場について

【経営の推移】

山本塁さんは、平成30年4月に新規就農者として酪農経営を始めました。出身は野村町予子林で、父の山本誠さんの三男として生まれ、地元野村高校卒業後、岡山県の中国四国酪農大学校に進学しました。その頃には実家の酪農は、長男の廉さんが経営を継承されていましたが、酪農に携わりたい強い想いで勉学や実習に励み、同級生で群馬県出身の現在の奥さんと出会いました。また、在学中の研修先として、野村町の兵頭郷一さんの牧場で何ヶ月も研修を重ね、兵頭郷一さんに認められ、牛舎と乳牛を継承する話があり、奥さんと共に20歳で経営を始めることとなりました。


【経営の概要】

山本塁牧場は、兵頭郷一さんが約15年前に建築したフリーバーン牛舎、スイングパーラー6頭搾りを利用して、経産牛30頭(うち搾乳牛22頭)、育成牛20頭の合計50頭を飼養しています。労働力は、塁さんと奥さんの2人です。現在は結婚を経て子宝に恵まれ、子育ても奮闘中です。

山本塁牧場の令和3年度生乳出荷量は200tで、牛群検定による経産牛1頭当たりの年間平均産乳量は8,335kgと、牛群飼養管理に努められています。また、乳成分においても乳脂肪率3.95%、無脂固形分率8.54%、乳質では体細胞数29万、細菌数3万と安定した良質乳を生産されています。

飼養管理面では、牛床管理に拘り数年前からトラクターロータリー攪拌によるコンポストバーンを導入しました。それにより、牛群達の健康状態も良くなり、乳房炎や蹄病、分娩事故などの疾病が減少しました。日々の作業や敷料の調達、燃料の高騰など様々な問題がありますが、牛の健康状態や乳質状況を見ながら管理作業をしています。

堆肥処理については、良質な完熟堆肥を飼料畑へ全量還元し、デントコーン、ソルゴーを作付けし、東宇和コントラクター研究会を利用しながら、ロールサイレージでの自給飼料生産に精力的に取り組み労働力負担軽減を図っています。

無我夢中で経営を始めた当初に、西日本豪雨災害により牛舎一部が土砂崩れにより崩壊し大きな被害を受けましたが、復旧事業や地域の仲間達の支援により修復することが出来ました。

山本塁牧場の取り組みと今後

昨今の飼料高騰状況を踏まえ、今後も自給飼料の増産に力を入れたいと考えています。また、性選別精液を利用した乳牛改良も更に進め、後継牛や飼養頭数の増頭を図り、個体乳量のアップを目標にされています。

らくれんより

昨年まで、塁さんは東宇和乳牛改良検定同志会の役員を務めるなど、組織活動や地元地域活動にも、積極的に参加しております。今後の東宇和酪農を担う若い世代の一生産者として、一層の活躍と山本塁牧場の益々の発展を、職員一同期待しております。

(南予指導事務所野村  西川芳満)